カイレン・テクノ・ブリッジ・エネルギー事業部 |
酸化鉄リチウムイオンニ次電池の概要 └電池の概要 └電池の特徴 └電池の安全性 └特許関連 |
◆ コバルト系、マンガン系のリチウムイオン二次電池と比較して・・・ |
「酸化鉄リチウムイオン二次電池」は、正極材料の主成分にコバルトやマンガンなどのレアメタルを使わず、主に酸化鉄を使用しています。 |
「酸化鉄」は非常に安定した結晶構造を持つため、熱暴走による発火の恐れが少なく、結晶構造が不安定なコバルト系リチウムイオン二次電池のように |
爆発する心配がありません。 |
◆ 鉛蓄電池、リチウムイオン二次電池と比較して・・・ |
長期間の使用でも電極の劣化が少なく、鉛蓄電池や他のリチウムイオン二次電池に比べて長寿命なバッテリーです。 |
環境温度特性においては他のリチウムイオンバッテリーよりも広範囲な「-20℃〜60℃」の設置環境に適応できます。 |
◆ リン酸鉄リチウムイオン二次電池と比較して・・・ |
鉄系リチウムイオン二次電池には、酸化鉄リチウムイオン二次電池(非オリビン系)とリン酸鉄リチウムイオン二次電池(オリビン系)があります。 |
「リン酸鉄リチウムイオン二次電池」は製造工程で700℃の高温かつ不活性ガスを入れた密封炉が必要です。 |
また正極材の導電性を高くするためにカーボンコーティングが必要です。 |
一方「酸化鉄リチウムイオン二次電池」は、空気中で製造可能なため密閉炉は不要、導電性も高いので特殊なコーティングも不要です。 |
そのため製造コストの低価格化が実現可能です。 |
◆ 高い負荷エネルギー密度 |
137Wh/Kg,(鉛バッテリー 〜40Wh/Kg) |
◆ 高速な充電速度 | |||||||||||||||
酸化鉄リチウムイオン二次電池なら、公称容量値の電流(1C)の3倍の電流で充電が可能です。 | |||||||||||||||
※「FECORAGEシリーズ」で連続充電する場合、電流の上限は公称容量値の電流(1C)以下です。 | |||||||||||||||
※一般的なコバルト系リチウムバッテリーは高速充電に対応していないので5時間充電(0.2C)です。 | |||||||||||||||
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◆ 充放電 |
充放電2000サイクルになっても総蓄電容量の70%以上を維持できます。 |
◆ ハイレート放電 |
ハイレート放電とは公称容量値の電流(1C)より大きな電流で行う放電のことです。 |
公称容量値の電流(1C)に対して、5秒程度の瞬間なら30倍(30C)、長時間でも3〜5倍(3C〜5C)の放電が可能です。 |
そのため少容量のバッテリーでも大きな起動電流などに対応できます。 |
◆ 安全性 |
熱暴走や破損による発火の心配がありません。 |
◆ 環境性 |
RoHsに対応した無毒成分なので環境を汚染する心配がありません。寿命が長いため最終的な処分量も減らせる |
またバッテリー寿命が長いので、最終的な処分量を減らすことが可能です。 |
◆ 価格 |
(量産体制確立後) 鉛バッテリーと同程度の価格になります。 |
◆ 生産性 |
必要な材料が世界で最も豊富な成分なので入手が容易です。 |
リチウム電池は使用する正極材料によって性能が大きく異なります。 |
電池種類
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鉄系リチウム
LFPO* |
コバルトリチウム
LiCoO2 |
マンガンリチウム
LiMn2O4 |
ニッケルコバルトリチウム
LiNiCoO2 |
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原価コスト
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最も低い
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高い
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低い
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高い
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安全性
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安定性が最も良い
爆発や発火の恐れがない |
安定性悪く、爆発や発火の恐れあり
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比較的安定性が良い
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安定性悪く、爆発や発火の恐れあり
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充放電サイクル
(期待寿命) |
約2000回以上
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約300〜500回
(ハイレート放電に適さない) |
約100〜800回
(放電倍率によって異なる) |
約300〜500回
(ハイレート放電に適さない) |
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長期使用
コストパフォーマンス
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最も高い
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高い
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普通
|
高い
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エネルギー密度
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普通
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良い
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普通
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最も良い
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電圧容量
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普通
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良い
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普通
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最も良い
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作動温度範囲
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-20℃〜60℃
(耐高温性) |
-20℃〜55℃
(範囲外では劣化しやすい) |
-20℃〜60℃
(範囲外では劣化しやすい) |
-20℃〜55℃
(範囲外では劣化しやすい) |
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大電流
高出力放電 |
最も良い
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悪い
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良い
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悪い
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量産成熟度
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成熟しつつある
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成熟
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成熟
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成熟しつつある
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コスト(価格)
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安価 ※量産効果により「鉛電池」以上の コストパフォーマンスを期待できる。 |
高価
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高価
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適正価格
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主な用途
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鉛バッテリーの置き換え
産業機器、ストレージ等 |
小型・パソコン周辺機器
スマートフォン等 |
EV、HEV
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小型・パソコン周辺機器
スマートフォン等 |
* 正式名称は“LiFeM(1-X)PyOz” |
鉄系リチウム電池には「酸化鉄リチウムイオン二次電池」と「リン酸鉄リチウムイオン二次電池」の2種類があります。 |
内容
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酸化鉄リチウム(LFPO)正極材
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リン酸鉄リチウム (LFP)正極材
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特許保有者
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台湾のCAEC社(長園科技)材料、 製法特許保有(アメリカUSPTO特許(7494744) 世界で唯一の酸化鉄リチウム正極材特許 |
カナダのPhostech社etc. ※材料・製法に関してはいくつかの会社に特許技術があります。 |
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充放電サイクル
(期待寿命) |
・鉛蓄電池の5〜10倍の電池寿命が期待できます。 ・充放電サイクル2000回以上でも70%以上の電気容量を保持できる能力を持ち、5,000〜10,000回以上の使用が期待できます。 |
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化学分子構造
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まったく新しい化学分子構造組成、正極材の導電性はリン酸鉄や今までの大容量動力電池より高い。空気中でより低い温度で製造できる | 700℃の高温かつ不活性ガスを入れた密封炉が必要。しかも出来上がった正極材の導電性は酸化鉄リチウムより低く、カーボンコーティングが必要。 | |
価格競争力
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リン酸鉄製造コストの約半分
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製造コスト割高
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品質均一性
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高い
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低い
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スラリー塗布
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塗布しやすいため、セルの製造コストが安い
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塗布の均衡性がよくない
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電気容量
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高い
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酸化鉄リチウムより低く、製造に大量の接着剤と助導電剤が必要
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自己放電率
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電池セルの自己放電率が低く、電気容量安定性高い
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電池セルの自己放電率が酸化鉄リチウム より高い
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製造環境性
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環境汚染なし
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製造中有機ガス発生し、空気汚染の恐れあり、
還元反応させる過程で爆発する危険性あり |
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製造過程
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通常の空気中で製造できる
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密封炉で合成が必要
(酸化しやすいため、酸化しない環境が必要) |
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導電性
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優
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優
(ただしカーボンコーティングが必要) |
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セル製造工程
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優
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劣
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エネルギー密度
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137Wh/kg (鉛蓄電池“40Wh/kg”の3倍以上)
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放電性能
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瞬間ハイレート放電30C、3〜5C連続放電を維持可能、 充放電安定性高い
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製品環境性
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材料はすべて無毒成分でRoHSに適応
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材料はすべて無毒成分でRoHSに適応
ただし製造中汚染の恐れあり |
スラリー:泥状の水分が含まれた粉体のこと |
電池種類
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鉄系リチウムバッテリー
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鉛バッテリー
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ニッカドバッテリー
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ニッケル水素バッテリー
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発明年
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1996年
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1859年
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1899年
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1982年
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期待寿命
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5〜10年
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2〜3年
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4〜5年
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4〜5年
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重量エネルギー
密度(Wh/kg) |
137
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40
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55
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60
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体積エネルギー
密度(Wh/m3) |
265
|
100
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180
|
200
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作動電圧
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3.3V
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2.0V
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1.2V
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1.2V
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動作温度
範囲特性 |
-20℃〜60℃
動作温度が広い |
-25℃〜55℃
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-20℃〜40℃
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-20℃〜40℃
高温性能が悪い |
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記憶特性の有無
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無し
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無し
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強
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弱
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環境負荷
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重金属を含まない(RoHS対応)
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有毒な重金属鉛を含む
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有毒な重金属カドミウムを含む
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重金属を含まない
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安全性
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短絡や衝撃による燃焼・爆発の 危険性がない。 過充電時の電池温度が55℃を 超えない。 |
過充電が長時間継続すると電流によって酸素漏れが発生する。 火災原因となる危険性がある。 |
短絡・加熱・燃焼・破壊・衝撃・異物混入によって、燃焼・爆発の危険性がある。 | 短絡・加熱・燃焼・破壊・衝撃・異物混入によって、燃焼・爆発の危険性がある。 | |
コスト(価格)
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現時点では高価だが
量産で価格が下がる |
低い
|
低い
|
適切
|
・電気バス ・電気自動車 ・ハイブリッドカー |
・小型・中型・大型UPS ・太陽光発電・風力発電 ・エネルギーチャージ設備 ・産業用電源 |
・電気作業車 ・電気補助自転車 ・ゴルフ用カート ・無人搬送車 |
・医療機材 ・電動車椅子 ・電動工具 ・軍用設備・機器 ・通信設備・機器 |
・ヘッドライト ・緊急用照明 ・救援照明 ・太陽光エネルギー街路灯 ・投光機、工事灯、標識照明 |
お客様のご用途に合わせて代理店を紹介させて頂きます。 お気軽にお問い合わせください。 |
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